変人の暮らしと、少々毒のある雑観です.
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梅雨時は、拙宅の庭ではナメクジが発生します。
今年は、なぜか、例年より多いように思います。
隣の家では、特に厨房にも出没するのだそうです。
ナメクジも生きていますから、食事するのは当然ですが、庭の草花を
食い荒らされるのは困ります。
お洒落なんでしょうか...特に白い花が好きなようです。
でも、何とかして他所に移動してもらいたいと思います。
女房は、ナメクジを見ると、すぐに塩を振りかけて退治します。
一般的な対処法ですが、でも、それは後始末が大変です。
私は、割り箸で摘んで、家の前の放水路に放流します。
私もナメクジは嫌いですから、半ば目を背けて箸で摘みます。
放水路に投じた後は、やはり身震いしてしまいます。
花びらがナメクジに
食べられています.
白い花が好きなよう
です.
ある日の雨上がりの昼時、犬の散歩でよく通りかかる高齢女性から、
「ナメクジはビールで誘き寄せ、水路に流しなさい」と教わりました。
私も、ナメクジはビールが好きだと、どこかで聞いたことを思い出し
他ので、トライすることにしました。
早速、その夜のビールを少し残してプラ・トレイに入れ、庭の片隅の
植木鉢の間に置きました。
夜の街の路地裏の、ウラ寂しいバーの雰囲気です。
「今夜は呑み会だよ~」と誘いの言葉を念じて、朝を待ちました。
結果、翌朝、4,5匹のナメクジが酔い潰れて寝ていました。
それを見ると、背筋がザワザワして、身体が硬くなります。
4m先の放水路まで持っていくのが辛かったです。
女房は「だから酔っ払いは嫌いよ」と訳のわからないことを言います。
ポーチュラカの花です.
白い花だけが食べられ
ています.
しかし、2回目以降は、1,2匹しか呑みに来ていませんでした。
犬の散歩の女性は「夜の呑み会を自粛しているようね」と言います。
ナメクジがコロナ感染を心配して、「今夜の呑み会は止めとこう」と
言ったかどうか...
ともあれ、昨今の世情にジャスト・ミートのジョークだと思いました。
7月の後半になると、もうビール好きのナメクジはいなくなりました。
小さな1匹がいた時は、チーママが「この店、どうなるのかしら」と、
カウンターに俯して、一人酔い潰れているように見えました。
少し残しておいたビール
(発泡酒)をトレイに入れ、
バーを作りビール好きの
ナメクジが立ち寄る夜を
待ちます.
不謹慎な想像ですが、夜の呑屋街が完全自粛する時期が、人間社会も
ナメクジ世界も似ているようだと、一瞬思いました。
コロナ禍の呑屋街では、飲食店は自粛を要請されています。
多くの店は、死活問題を抱えて大変な時期を迎えているようです。
対して、拙宅の庭のビール・トレイのバーでも、この時期に、呑みに
行った連中の行方不明を不審に思った仲間が騒ぎ出して、当局が夜の
街への外出禁止令を発したかもしれない、と想像したのです。
しかし、「酒好きの年中酔っ払い」も「ビール好きのナメクジ」も、
少々の障害は自粛の要因にはならないのです。
私も酒好きですから、自嘲の意味も含めて、そう思います。
適当な酒量を用意して、
路地裏のバーのように、
植木鉢の間の薄暗い所に
置きます.
不思議と...罠を仕掛けた
という意識はありません.
ビールの匂いの誘いに勝てなかった「酔っ払い」も「ナメクジ」は、
「ほんの少しなら...」と勝手に言い訳し、フラフラと夜の酒処に立ち
寄ります。
コロナ感染や水路投棄の危険性を顧みず、酒に誘われています。
変な物言いですが、「酔っ払い」も「ナメクジ」も、夜の酒処に通う
のは、よくよく慎重であるべきです。
花よりビールが好きな
ナメクジが酔い潰れて
寝ています.
このまま水路に放流し
ますが、醒めたら驚く
だろうな...と思います.
私のような「家呑み派」は、昔から夜の繁華街には滅多に行きません。
もしかしたら「ナメクジ」の中にも、ビールは好きだけど、トレイに
は近寄らない「慎重派」がいるかも知れません。
だとすれば、拙宅の庭のどこかに「慎重派」のナメクジが隠れている
可能性があります。
酒の誘いに乗らないナメクジは、褒めてあげようと思います。
などなど...不謹慎な想像を勝手に楽しんでいます。
そして、昨今のコロナ禍は、いつの間にか飼い慣らされている価値観
を変換する機会になるかも...と考えることもあります。
今は新しい方向性を模索する時期なのかな...と考えることもあります。
200910
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