暮らし/日常-57 安物靴の底が剥がれて
変人の暮らしと、少々毒のある雑観です.□□□□□秋が深まり涼しくなってくると、暑かった夏の日々が何故か懐かしく思い出されます。
今年の夏は、特に暑かったせいか、あるいは、私が歳のせいなのか、注意力散漫による恥ずかしい思い出を、街中に残してきました。
8月中旬、気温39℃の猛暑日でした。大宮駅近くの歯科医院からの帰り、バス発着所に向かって、駅西口のペデストリアン・デッキを、ボンヤリした意識で歩いていました。
抜歯の麻酔がまだ少し効いており、抜歯の恐怖感もまだ残っていて、さらに炎天が、薄くなった頭頂部に容赦なく灼熱を浴びせました。気のせいか、歩くたびに景色が左右に少し揺れて見えてきます。「これはヤバイ...気を引き締めて歩かねば...」と深呼吸しました。
(註) JR.大宮駅西口のペデ ストリアン・デッキです. デッキ上は日陰がないので 夏は非常に暑いです.
そして「大宮そごう」デパートの近くまで来た時、ハッとして処方箋薬局に寄るべきことを思い出しました。抜歯後の抗生剤と鎮痛剤を購入する必要があったのです。
「私の頭はまだハッキリしている」と、薬のことを思い出した自分を誇らしく思いつつ、薬局まで戻ることにしました。そして、ゆっくり振り返ると、5mほど先方に何やら見慣れたような「足跡」が、歩道の上に残っているのが見えました。
妙に「足跡」に引き寄せられる気がしたので、近づいて見ると、何と私の剥がれた靴底でした。靴の底が、暑さのせいで剥がれたのです。
先ほどの歩くたびに景色が…